山梨学院大学の中村和彦教授が提唱する「36の基本動作」。このプログラムは、子どもたちの運動能力を高めるためのもので、特に基礎体力の向上に大きな効果があるとされています。今回は、「36の基本動作」の背景や具体的な内容、そして実際の効果について詳しく解説していきます。
「36の基本動作」とは?
中村和彦教授は、現代の子どもたちが運動不足に陥っていることを憂慮し、基本的な運動能力を体系的に身につけるための「36の基本動作」を提唱しました。これらの動作は、日常生活やスポーツ活動で必要とされる基本的な動きを網羅しています。
「36の基本動作」
1.平衡系の基本動作
平衡系の動作は、バランス感覚を養うための重要な動きです。
以下の9つの動作が含まれます。
立つ
浮く
起きる
回る
逆立ちする
渡る
組む
乗る
ぶら下がる
これらの動きを通じて、子どもたちはバランス感覚を身につけ、体幹の安定性を高めることができます。
2.移動系の基本動作
移動系の動作は、体を移動させるための基本的な動きです。
以下の9つの動作が含まれます。
歩く
這う
走る
水平に跳ぶ
垂直に跳ぶ
潜る
泳ぐ
滑る
登る
これらの動きを練習することで、子どもたちは心肺機能の向上や筋力の強化を図ることができます。
3.操作系の基本動作
操作系の動作は、物を操作するための基本的な動きです。
以下の18の動作が含まれます。
投げる
持つ
掴む
取る
当てる
蹴る
運ぶ
振る
掘る
積む
支える
渡す
抑える
押す
倒す
漕ぐ
打つ
引く
これらの動作を通じて、子どもたちは手眼協調性や反射神経を鍛えることができます。
「36の基本動作」の効果
中村和彦教授の「36の基本動作」を導入した学校では、体力テストの結果が向上し、子どもたちの運動能力や身体のバランスやコーディネーションが改善。子どもたちが積極的に運動に取り組む姿勢が見られるようになったという報告があります。
特に、運動が苦手だった子どもたちが自信を持ち始め、他の運動にも積極的にチャレンジするようになるという心理的な効果も確認されています。
これにより、クラス全体の雰囲気もポジティブになり、協力や助け合いの精神が育まれるという効果も期待されています。
中村和彦氏のビジョンと今後の展望
中村和彦教授は、「36の基本動作」を通じて、子どもたちが生涯にわたって健康でアクティブな生活を送る基礎を築くことを目指しています。現代社会において運動不足がもたらす健康リスクに対する警鐘を鳴らし、早期からの運動習慣の重要性を訴えています。
これには、教育現場での取り組みだけでなく、家庭や地域社会全体での協力が不可欠です。
親や地域の人々が一体となって、子どもたちの健康と成長をサポートする環境を作ることが強調されています。
まとめ
「36の基本動作」は、子どもたちの健全な発育と運動能力の向上に大きく寄与するプログラムです。これらの動作を体系的に学ぶことで、子どもたちは日常生活やスポーツ活動で必要なスキルを身につけ、健康でアクティブな生活を送る基盤を築くことが期待されています。
中村和彦教授のビジョンをもとに、「36の基本動作」がさらに広まり、より多くの子どもたちが運動の楽しさを体験する一助となれば幸いです。
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